心を定める(PHPより)

自分が好きで選んだ道でも、時と共に最初の意気込みが薄れて惰性に陥り、つまらなくなったり、はては、苦痛にすらなってくることがある。特にその仕事が、肉体的、精神的にきついとき、「こんなはずではなかったもっと楽な仕事がしたかった」と悔やまれ、不満や愚痴が口をついて出る。

 だが、一見楽そうに見えても、どんな仕事にも外からはわからない苦労がある。それを毎日、何年、何十年と続けるには、大変な努力と忍耐が必要なのである。その意味で、楽な仕事など一つもないと言えよう。

 すすめられたから、その言葉に従った、成り行きで今の仕事に就いたという場合もあるかもしれない。それでも最終的に決めたのは外でもない自分である。

 そうであるとするなら、これも自分の運命と心を定めて、今の仕事に懸命に打ち込んでいく。そうすれば、必ず何かしらの喜びややりがいが見いだせる。

 (PHPより抜粋)